大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和52(さ)2 判決

主 文

原略式命令を破棄する。

本件公訴を棄却する。

理 由

本件記録によると、次の各事実が認められる。

(一) 富山簡易裁判所は、昭和五一年六月一七日付起訴にかかわる被告人に対

する道路交通法違反被告事件(同庁昭和五一年(い)第三三三三号)につき、右同

日、「被告人は、公安委員会の運転免許を受けないで(免許効力停止中)、昭和五

一年五月三一日午後八時四五分ころ、富山市a町b付近道路において、普通乗用自

動車(富五五ぬ八七八五号)を運転したものである。」旨の事実を認定したうえ、

道路交通法六四条、一一八条一項一号、罰金等臨時措置法二条、刑法一八条、刑訴

法三四八条を適用し、「被告人を罰金二五、〇〇〇円に処する。これを完納するこ

とができないときは金一、〇〇〇円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置す

る。第一項の金額を仮に納付することを命ずる。」との略式命令を発し、この裁判

は、即日被告人に送達され、同年七月二日に確定した。

(二) しかし、同簡易裁判所には、これより先、同年六月九日付起訴にかかわ

る被告人に対する同一事実の道路交通法違反被告事件(同庁昭和五一年(い)第一

〇七二一号)が係属していたものであり、同簡易裁判所は、右被告事件につき、同

月一八日、前記略式命令と同一の主文、事実認定(違反場所も実質的に差異はない。)

適条を内容とする略式命令を発し、この裁判は同月二一日被告人に送達され、同年

七月六日に確定している。

そうすると、同年六月一七日付の公訴提起を受けた同簡易裁判所としては、「公

訴の提起があつた事件について、更に同一裁判所に公訴が提起されたとき」にあた

るものとして、その事件を刑訴法四六三条一項により通常の手続に移したうえ、同

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法三三八条三号により公訴棄却の判決をすべきであつたのに、前記のとおり略式命

令をしたものであつて、右の原略式命令は法令に違反していることが明らかである。

よつて、本件非常上告は理由があり、しかも原略式命令は被告人のため不利益で

あるから、刑訴法四五八条一号但書により右略式命令を破棄し、同法三三八条三号

により本件公訴を棄却することとし、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決

する。

検察官田中義雄 公判出席

昭和五二年一二月二三日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 栗 本 一 夫

裁判官 大 塚 喜 一 郎

裁判官 吉 田 豊

裁判官 本 林 譲

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